選評

ダイビル本館の夜景を美しく捉えた入選作品は、堂島川と中之島の奥行きが見事に表現されています。昔の面影を残したダイビル本館をはじめとするビル群に光が散りばめられ、夜景の美しさが引き立っています。
また、堂島川の水面には反射したライトアップがさざ波を映し、水面から漆黒の夜空につながっていくようです。川を渡る小さな観光船も、夜景の中で存在感を放っており、写真の奥行きを深めています。

夜景の美しさを余すことなく捉え、見る者を魅了する作品だと思います。

選評

秋葉原ダイビルの夜景をメカニックに捉えた入選作品は、日没直後に長時間露光で光線を取り込み撮影されたとのことです。超広角レンズを使って、ビルを鋭角的に強調することで、近未来感ある構図の実現に成功しています。さらに直交した信号機と秋葉原ダイビルの外枠が夜空を背景にキレイに対比されています。
作品の奥には、秋葉原の街並みが広がっており、喧騒と眠らない街の活気が伝わります。
ヘッドライトとテールランプで表現された車の往来もサイバーな雰囲気を演出し、秋葉原を巧く表現している作品だと思います。

選評

獣面の彫刻を前面に配置する大胆な構図で表現されています。ビル自体は背景となっていますが、その存在感が印象的に表現されています。また、モノクロによる表現は、ビルの重厚感や獣面の迫力をより一層強調し、作品に深みを与えています。獣面の彫刻は日比谷ダイビルの代名詞ともいえるものであり、その特異な存在感が巧く表現されている作品です。

選評

およそ現実の世界とは思えない、昔の特撮映画を想起させる作品です。特殊な変色フィルムを使用し、そのフィルムをデータ化しているのみで、画像加工を一切行わずに現場の天気と特殊フィルムの化学反応だけで色が再現されている点にも驚かされました。その技術力と美的センスが未来感あふれる非現実的な空間を見事に表現しています。

選評

旧ビルから100年の歴史を繋いできた石材レリーフなどの外装が効果的な照明により幻想的に浮かび上がっています。落ち着いたテラス席は、まるでヨーロッパの街並みに紛れ込んだような気分にしてくれます。テラス席には暖かなあかりが灯り、賑わいを見せる前の静けさが漂っています。その静謐なわずかな時間を切り取った美しい作品です。

選評

数多ある作品の中で「パリのカフェの夜景が紛れ込んでいる」と錯覚してしまったくらい、この作品によって、普段のPIVOTとは違う隠された魅力に気付くことが出来ました。己の不覚さを、悟らせてくれた素晴らしい作品です。2027年竣工の新しいビルについても、我々ビルの施主・所有者さえ気付かないような魅力を、是非、再び写真で表現していただきたいと思います。
（代表取締役 社長執行役員　丸山 卓）