07 2000 大阪 梅田ダイビル 超高層密集街区・梅田で
大規模複合開発プロジェクトを推進

国鉄清算事業団の土地を落札

大阪西梅田地区における開発の発端は、1979(昭和54)年に当時の国鉄総裁が西梅田貨物駅跡地の利用計画策定に関し、大阪市長に協力要請したことに始まる。これを受け、大阪市長は大阪駅ターミナル問題懇談会に西梅田貨物駅跡地の利用計画の策定を諮問し、そこで答申されたのが、「経済面のみでなく、文化・国際・情報性の強化に資する拠点として大阪駅前にふさわしい緑豊かなまちづくりが望ましい」とする大阪駅周辺の整備基本構想であった。

  • オオサカ・ガーデン・シティ落札地

これを実現すべく1987年に西梅田地区開発協議会が組織され、ビジネス、宿泊、商業、文化などの複合機能を持った都会的で魅力に富んだ空間を形成しつつ、アメニティ豊かな歩行者空間の確保にも努め、大阪の表玄関にふさわしいまちづくりを目指すこととなった。

ダイビルがこの西梅田地区と関わるのは1996(平成8)年、日本国有鉄道清算事業団が所有する旧国鉄大阪コンテナヤード跡地約2.6haのうち、西側部の1万5701m2(4750坪)の土地を建物提案方式によって入札し、その内の4528m2(1370坪)を落札したことによる。立地は西梅田であり、OAP(大阪アメニティパーク)、OBP(大阪ビジネスパーク)と並ぶ大規模開発である西梅田地区再開発事業(オオサカ・ガーデン・シティ/OGC)の中核を形成するプロジェクトの始まりであった。

ここで言う建物提案方式とは何か。それは①国鉄清算事業団が入札によって決められた土地の購入者から土地相当額を借入れ、②落札者が提案した建物計画にしたがって、同事業団の出資会社(レールシティ西開発)が建物を建設し、③建物が完成した時に借入金は土地代と相殺し、建築代の受け取りと引き換えに、落札者に土地と建物を同時に引き渡すという土地売却方式である。これはプロポーザル方式とも呼ばれ、プロジェクトに最も適した業者が選べるため質の高い建築物が可能になるだけでなく、コンペ方式と比べ、費用や労力、時間の負担が少ないというメリットがある。

ダイビルはホテルモントレのマルイト、健康保険組合連合会(現医療法人伯鳳会グループ)大阪中央病院、共同でオフィスビルを建設する安田生命保険(現明治安田生命保険)・大成建設を共同入札者として落札に成功し、区画のほぼ中央に位置する好適地において、オフィスビルの建設に取りかかることになった。