11 2007 海外 海外事業 初めての海外事業展開への挑戦

ハノイでも理念の一致による物件の取得

  • コーナーストーン・ビルディング

2014(平成26)年12月にダイビルは首都ハノイ市で「コーナーストーン・ビルディング(CornerStone Building)」を取得した。売主はベトナム中堅銀行で、サイゴン・タワーという優良ビルを日系不動産会社が経営していると聞いた頭取自ら売り込みに来たものだった。同ビルは、5.3km2と狭いエリアでありながら、ベトナムの官公庁、各国大使館、外資系企業が集積するハノイ中心業務地区(CBD)のホアンキエム区に位置し、しかもベトナム財務省の隣地という最高の立地にあった。売主は本社ビル兼貸ビルとしてコーナーストーン・ビルディングを建設したが、当時ベトナムの各銀行は不良債権問題によりノンコア事業の売却を加速させており、当ビルもその対象となっていた。一方、売主はビル売却後も本社として引き続き使用するため、転売を目的とする不動産会社への売却を望んでおらず、丁寧なビル管理と長期的な貸主となる買主を探していた。ここでもダイビルの「テナントとの相互信頼を大事に長期的視点で経営する」という理念が売買へと結実したのである。現在当ビルはハノイNo.1ビルとしてハノイマーケットをリードしている。

両ビルによりベトナムにおけるダイビルの地位は確固としたものとなり、2020(令和2)年にはベトナム人実業家よりハノイ市でのオフィスビル共同開発の提案を受けた。既存2ビルの評価を伝え聞き、ダイビルに設計・施工・運営といったビル開発の一切を主導してほしいという提案であった。場所はハノイ市中心部の北西約6km、タイ湖西側に位置する「STARLAKE地区」内である。同地はベトナム中央省庁の過半が移転を予定しているなど、ハノイ新CBDとして非常に有望なエリアである。初進出から10年余りで最難易度のオフィスビル開発へと、ダイビルのベトナム事業は飛躍を続けている。