
第3章 発展期
1958
1988
第1節 ビル事業の拡大
5 御堂筋ダイビルの取得
1975(昭和50)年3月28日、当社は大阪市東区南久宝寺町5丁目5番地(現大阪市中央区南久宝寺町4丁目1番2号)にあった東洋工業(現マツダ)大阪支社ビルを取得し、御堂筋大阪ビルヂング(後の御堂筋ダイビル)と命名した。
以前より大阪のメインストリートである御堂筋への進出を考えていた当社は、御堂筋と南久宝寺通が交差している西北の角地に建つ同ビルの利用価値と将来性に着目し、取得を決断したものだった。
敷地面積は1577m2(477坪)、建築面積は1372m2(415坪)、延床面積は1万3399m2(4053坪)で、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上8階、地下3階、塔屋3階という規模であった。白土建築設計事務所の監理、竹中工務店の設計・施工によって1964年に完工されていた。外装にはステンレススチールを主体としたユニットパネル・カーテンウォールが採用されて斬新さを演出しており、御堂筋のイチョウ並木ともよく調和し、1966年には第7回建築業協会賞を受賞するなど国際都市大阪にふさわしい都市景観の一角を形成していた。
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御堂筋ダイビル全景
一方で自動車メーカーの拠点として使用されてきたことからそのまま利用することはできず、貸オフィスビルに転用するための改造を行った。主な改造点としては、ショールームやテラス、会議室などに利用されていた1、2階を貸オフィスにしたことや御堂筋に面する1階東南のコーナーに正面玄関とは別に専用出入口を新設したこと、講堂、会議場などになっていた8階を一般事務室にしたことだった。大林組に発注して実施された工事は1975年4月中旬から開始され、最終的に1976年11月初旬に完了した。買収に要した資金は土地代を含めて36億1000万円、改装工事には3億1400万円を投じた。
御堂筋ダイビルは当社にとって初めての取得物件であり、ビル開設準備や営業にも未経験のことが多く、開業当初は5階に東洋工業大阪支社が残留しただけという状態だったが、徐々にテナントを獲得し、開業3年目の1978年3月末には入居率は80.2%に達した。なお、このビルの清掃業務をはじめ設備管理、保安管理、館内サービス業務などすべての管理運営を関連会社の関西建物管理に全面委託した最初の物件となった。
御堂筋ダイビルは1989(平成元)年に地下2階の大改造、1996年に空調増強工事などの改装がなされた。
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1923 1944 草創期
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第2節 ビル事業開始
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第4節 戦時下での事業展開
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1945 1957 復興期
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第2節 ビル建設の再開
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1958 1988 発展期
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第2節 M&Aによる事業拡大
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第3節 企業体質の強化
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1989 2003 拡充期
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第2節 CIの導入と社名の変更
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第3節 災害対応とリスクマネジメント
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2004 2023 変革期
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第3節 海外での事業展開
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第4節 企業体質のさらなる強化とグループの再編