
第3章 発展期
1958
1988
第1節 ビル事業の拡大
9 淡路町ダイビルの完工
当社は1984(昭和59)年2月、淡路町ダイビル建設プロジェクトチームを編成し、堂島ダイビルの新築工事と並行して大阪・船場の中心地である淡路町の所有地にオフィスビルを建設する計画をスタートさせた。設計は1983年9月に日建設計、施工を大林組と住友建設(現三井住友建設)に発注しており、堂島ダイビルが完工した後の1984年11月14日に淡路町ダイビルの起工式が挙行された。
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淡路町ダイビル全景
工事は周辺が古くからの木造住宅と小さなビルの密集地であり、道路は不法駐車で占められているという厳しい環境だったため、かなりの難航を余儀なくされた。しかし施工業者の懸命な努力によって工事は徐々に軌道に乗り、1985年8月30日に上棟式を迎えることができた。完工は着工以来1年7カ月経った1986年5月31日であった。
構造は鉄骨鉄筋コンクリート造、地上8階、地下1階、塔屋1階で、外装は淡いウォームグレイの磁器質タイル貼りで、一枚一枚のタイルには微妙に突起した細かい筋の入ったものと筋のないものの2種類とし、これらを交ぜ貼りすることで光線の当たり具合を和らげたり、変化を見せたりする工夫を凝らした。
船場で建築計画を進める際は東西に走る道路の中心から6m、南北に走る道路に対しては同じく5m後退した位置に建築線、いわゆる「船場後退建築線」(1939年4月、大阪府告示)が指定されており、これの適用を受けたが、淡路町ダイビルではビルの外壁線を後退建築線よりさらに後退させ、敷地の一部を公開空地とすることで整然とした外観アウトラインを実現した。設備では当社で初めてボイラー式でなくガス直焚き吸収式冷温水機を採用し、省エネにつなげた。
1986年6月3日に竣工式を行い、開館当初は満室とはいかなかったが、それでも入居率は85.2%であった。
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1923 1944 草創期
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第2節 ビル事業開始
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第4節 戦時下での事業展開
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1945 1957 復興期
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第2節 ビル建設の再開
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1958 1988 発展期
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第2節 M&Aによる事業拡大
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第3節 企業体質の強化
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1989 2003 拡充期
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第2節 CIの導入と社名の変更
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第3節 災害対応とリスクマネジメント
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2004 2023 変革期
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第3節 海外での事業展開
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第4節 企業体質のさらなる強化とグループの再編