第5章 変革期

2004

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2023

第2節 拡大する事業

14 御堂筋ダイビル建て替え工事の開始

1964(昭和39)年8月に完工し、1975年に当社が取得して以来、運営してきた御堂筋ダイビルは2020(令和2)年12月末をもって閉館し、2021年12月にかねてより計画を進めていた建て替え工事を、設計・監理は日建設計、施工を大林組で開始した。

「Your Premium, Your Workplace」をスローガンに、ポストコロナ時代における多様な働き方に応えるワークプレイスの提供をコンセプトとして「Diversity(多様な働き方への対応)」、「Wellness(心身の健康)」、「Biophilic(自然との共生)」の3点をテーマとして設計を進めた。

本物件では、当社が継承してきた「自然との共生」の精神を大切にしつつ、働き方の多様化に対応可能なワークプレイスや心身の健康をサポートするビル内環境の実現を目指した。さらに気候変動対策として環境負荷の抑制や災害時のBCP対策も講じ、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(現一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター)による「CASBEE-WO(ウェルネスオフィス)」および大阪市の「CASBEE大阪みらい」でともに最高評価のSランクの取得を目指している。

  • 旧ビルを想起させる外装

外装は、旧ビルを想起させる鈍色の金属パネルを採用し、御堂筋のにぎわいや難波神社の緑を映し込むデザインとした。中高層部にはアースカラーの水平フィン(庇)を設置することで、眺望の確保と日射による環境負荷の抑制を両立させ、周辺環境と調和した自然美を感じるようにした。BCP対策では、制震ブレースやオイルダンパーを使った制震構造を採用し、JSCA(一般社団法人日本建築構造技術者協会)が定める耐震性能グレードで「上級」に相当する強固な耐震設計を確保したほか、72時間運転可能な非常用発電機を設置した。

当社は2021年10月、脱炭素に向けた取り組みの一つとしてCO2フリー電力の導入を決定したが、既存ビルに加え、当ビルにも導入される予定である。

完工は2024年初旬が予定されている。

物件概要 御堂筋ダイビル
所在地 大阪市中央区南久宝寺町4-1
竣工予定 2024(令和6)年初旬
構造 鉄骨造
一部鉄骨鉄筋コンクリート造
規模 地上20階、地下1階
延床面積 約20,300m2(6,141坪)