
第5章 変革期
2004
2023
第2節 拡大する事業
8 リニューアル工事の実施
当社は1990年代以降、リニューアル委員会での検討・討議のもとで既存ビルのリニューアルを進めてきたが、2000年代以降も積極的に推進した。
1984(昭和59)年の完工以来、全日空ホテルとして利用されてきた堂島ダイビルもすでに20年が経ち、主要機器の更新時期が到来していたため、2004(平成16)年9月、リニューアル工事を開始した。ホテルとして営業を続けながら受変電設備を更新することは困難であるため、一時的に営業を休止して集中的な工事を行った。電気設備、空調設備、客室の工事も行い、2006年3月末に完了した。
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日比谷ダイビルエントランス
1983年に完工した内幸町ダイビルでも設備の老朽化が進んでいたため、受変電設備、照明、トイレ・湯沸室、空調機の更新といったリニューアル工事を行い、2011年3月に完成した。
1986年に完工し、26年が経過していた淡路町ダイビルは2011年4月から貸室内やトイレの改修、受変電設備、自動火災報知設備、非常放送設備、空調機の更新などを行い、リニューアル工事は2012年6月に完成した。また、同じく完工から26年が経過していた三田日東ダイビルのリニューアル工事にも着手し、外壁補修、屋上防水改修、受変電設備・照明設備の更新、空調・熱源設備の更新、トイレ改修、給排水配管の更新などを行い、2015年2月に完成した。
2013年5月に策定された中期経営計画「“Design100”プロジェクトPhase-Ⅰ」では、保有アセットの競争力強化のために5年間で100億円規模の投資を行うことを明らかにしたが、その第1弾として実施したのが日比谷ダイビルのリニューアル工事であった。日比谷ダイビルは1927年に日比谷大阪ビルヂングとして誕生して以来、1989年の建て替えを経て歴史を重ねてきたが、さらなるバリューアップのためにリニューアルを決断したものだった。電気・空調系の更新を主とし、ビル設備機能の改善、エントランスならびにトイレをはじめとした共用部アメニティの刷新を図った。また、東日本大震災以降、ニーズの高まりを見せるBCP(事業継続計画)関連として48時間対応可能な非常用発電機を設置した。39カ月にわたった全面リニューアルは2016年6月に完了した。
1989年の完工以来27年が経過していた芝ダイビルは2017年1月からリニューアル工事を開始し、外壁補修、屋上防水改修、受変電設備や非常用発電機の更新、全館照明のLED化、熱源および空調機器更新、受水槽更新、トイレおよび給湯室の全面改修を実施し、2019年に完成した。
1997年に完工した淀屋橋ダイビルのリニューアル工事は2022(令和4)年8月から開始され、外壁改修や屋上防水改修、受変電設備・分電盤・動力盤の更新、発電機・照明器具の更新、空調機更新、トイレ改修などが予定されている。完成は2024年の予定である。
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1923 1944 草創期
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第2節 ビル事業開始
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第4節 戦時下での事業展開
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1945 1957 復興期
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第2節 ビル建設の再開
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1958 1988 発展期
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第2節 M&Aによる事業拡大
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第3節 企業体質の強化
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1989 2003 拡充期
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第2節 CIの導入と社名の変更
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第3節 災害対応とリスクマネジメント
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2004 2023 変革期
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第3節 海外での事業展開
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第4節 企業体質のさらなる強化とグループの再編