
第1章 草創期
1923
1944
第3節 東京進出
1 日比谷ダイビル1号館の完工
当社が東京進出の方針を明らかにしたのはダイビルが開業した直後の1925(大正14)年10月21日に開催された取締役会においてである。この時の議事録には「東京支店建築用地買収ノ件」として「東京市麹町区内幸町一丁目三番地ノ内約五百五拾坪ヲ壱坪ニ付金八百圓以内ニテ買入ルコト」の一文があり、会社設立直後から東京進出を計画していた。これに伴い、資本金を300万円から500万円に増資した。
この決議にしたがって同年10月26日に東京市麹町区内幸町1丁目3番地(現東京都千代田区内幸町1丁目2番2号)の土地1837m2(556坪)を三菱合資会社地所部(現三菱地所)から取得し、翌1926年3月に東側隣接地1595m2(483坪)を取得して、日比谷ダイビル1号館、2号館の建設準備に着手した。
内幸町は丸の内に続く土地柄であり、日比谷公園を目の前にして銀座へも徒歩圏内にあったこと、国鉄(現JR東日本)新橋駅や当時は走っていた市電の停留所に近く交通の便が良かったこと、近くに国会議事堂や諸官庁各本省の新築移転予定地になっていたことなどがこの地を選んだ理由であった。将来的に業容が拡大することが確実視された地に当社の東京進出の第一歩をしるすことになったのだった。
1925年12月3日、ダイビルと同じく渡辺建築事務所と設計・監理を委嘱する契約を結び、翌1926年3月1日、大林組と基礎工事契約を締結し、3月10日に基礎工事を開始した。続いて5月17日に主体工事請負契約を竹中工務店と契約し、本体工事が始まった。
日比谷ダイビル1号館の完工は1927(昭和2)年7月31日であった。
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1923 1944 草創期
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第2節 ビル事業開始
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第4節 戦時下での事業展開
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1945 1957 復興期
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第2節 ビル建設の再開
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1958 1988 発展期
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第2節 M&Aによる事業拡大
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第3節 企業体質の強化
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1989 2003 拡充期
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第2節 CIの導入と社名の変更
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第3節 災害対応とリスクマネジメント
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2004 2023 変革期
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第3節 海外での事業展開
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第4節 企業体質のさらなる強化とグループの再編