
第5章 変革期
2004
2023
第2節 拡大する事業
15 八重洲ダイビル建て替え工事の開始
1967(昭和42)年8月に完工し、同年9月に開館した八重洲ダイビルは27年後の1994(平成6)年に電気設備、空調設備、共用部などの更新を行い、2001年9月に完了していたが、さらなる価値向上のため建て替えを決断し、2020(令和2)年4月より基本計画をスタートさせた。建て替えにあたっては「東京地区のフラッグシップオフィス これからの『八重洲』でも変わらぬ存在感を示す」をテーマとして以下の2点をコンセプトとした。
-
旧ビルの風格を受け継ぐ外観デザイン
- 現八重洲ダイビルの思想を継承し、八重洲の新たな景観を創出
- 現ビルの都市景観への寄与とウェルネス思想の継承
- 品格あるデザインと街と人に開かれた緑で新たな八重洲の経験を創出
- 新たな時代に必要とされる安心・安全を約束する高いビル性能
- これまでのビル開発の知見を活かした、テナントに選ばれる一歩先を見越した建築・設備計画
八重洲ダイビルの場合、建築家の村野藤吾によるファサードの美しさと屋上樹苑で知られ、道行く人の目を引いてきたが、建て替えにあたってそうした思想を可能な限り継承しつつ、時代が求める高い安全性や快適性を実現していくことを目指した。
八重洲の新たな景観を創出するため、重厚で風格あるファサード・外観デザインによって周辺の大規模開発との差別化を図りつつ、南コア側緑地と壁面緑化による地域環境への寄与を図る。また、中間層免震構造により高い耐震性能を確保し、災害時に72時間以上の電力供給が可能なシステムの採用などによる万全のBCP対応を実現するとした。
建て替えプロジェクトは設計・監理を日建設計、施工を鹿島建設として契約を締結し、2020年11月から基本設計を開始した。2021年9月から実施設計を進め、同年12月の閉館を経て2022年6月から解体・新築工事に着手した。完成予定は2025年中頃を予定している。
物件概要 | 八重洲ダイビル |
---|---|
所在地 | 東京都中央区京橋1-1-1 |
竣工予定 | 2025(令和7)年中頃 |
構造 | 鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 |
規模 | 地上11階、地下3階 |
延床面積 | 22,667m2(6,857坪) |
-
1923 1944 草創期
-
第2節 ビル事業開始
-
第4節 戦時下での事業展開
-
1945 1957 復興期
-
第2節 ビル建設の再開
-
1958 1988 発展期
-
第2節 M&Aによる事業拡大
-
第3節 企業体質の強化
-
1989 2003 拡充期
-
第2節 CIの導入と社名の変更
-
第3節 災害対応とリスクマネジメント
-
2004 2023 変革期
-
第3節 海外での事業展開
-
第4節 企業体質のさらなる強化とグループの再編