
第5章 変革期
2004
2023
第2節 拡大する事業
7 新ダイビルの建て替え
2012(平成24)年8月、新ダイビルを建て替える「新・新ダイビル(仮称)」の工事を開始し、2015年3月に「新ダイビル」として竣工式を迎えた。設計・監理は日建設計、施工は大林組が担当した。
設計にあたっては「堂島川沿いにのびやかに大庇が積層する環境親和型ランドマークビル」を目指し、環境負荷を軽減する石貼りの力強い大庇の存在感を際立たせた外観、恵まれた眺望を最大限に享受する開放的かつフレキシブルなオフィス空間、自然採光、自然換気、外気冷房や雨水利用などの自然の恵みを生かした環境共生ビルとした。
完成したビルは地上31階建てでオフィス(5~31階)、商業施設(1・2階)、貸会議室・カフェテリア(4階)を有し、オフィスでは500坪近い面積を無柱空間とし、72時間対応の非常用発電機やLED照明の全面採用など数々の最新設備を備え、高いBCP対応能力と環境性能を実現した。こうした取り組みが評価され、日本政策投資銀行による「DBJ Green Building認証」において国内でトップクラスの卓越した「環境・社会への配慮」がなされたビルとして「2014 five stars」を取得し、「CASBEE大阪みらい」(大阪市建築物総合環境評価制度)においても最高ランクとなる「S」評価を獲得した。
かつての新ダイビルは、ビル緑化の先駆けとして屋上樹苑を設け、約50年間にわたって親しまれてきたが、新・新ダイビルにおいても敷地内に約1000坪の緑地「堂島の杜」を設置し、新ダイビルの屋上樹苑から植木を一部移植するなど樹苑として整備した。完成した堂島の杜は「人だけでなく生物にとってもやさしい森」としての評価を高め、新ダイビルは、公益財団法人日本生態系協会が生物多様性の保全や回復に資する取り組みを評価する「JHEP認証」において、西日本で初となる最高ランクの「AAA」を取得した。
テナントには丸紅、ITホールディングスグループ(現TISインテックグループ)、日立製作所などが入居した。
物件概要 | 新ダイビル |
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所在地 | 大阪市北区堂島浜1-2-1 |
竣工年月 | 2015(平成27)年3月 |
構造 | 鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 |
規模 | 地上31階、地下2階、塔屋3階 |
敷地面積 | 8,427m2(2,549坪) |
延床面積 | 77,388m2(23,410坪) |
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1923 1944 草創期
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第2節 ビル事業開始
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第4節 戦時下での事業展開
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1945 1957 復興期
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第2節 ビル建設の再開
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1958 1988 発展期
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第2節 M&Aによる事業拡大
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第3節 企業体質の強化
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1989 2003 拡充期
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第2節 CIの導入と社名の変更
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第3節 災害対応とリスクマネジメント
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2004 2023 変革期
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第3節 海外での事業展開
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第4節 企業体質のさらなる強化とグループの再編